Studio Sinfonica
 
  EVENT

「木を植えた人」を聴くプロジェクト

日時 2004/6/26
会場 Studio Sinfonica(途上の家)

スタジオ・シンフォニカから一言

当日は、 35名様にご来場いただきました。
朗読とピアノのコラボとい珍しいイベントながら盛会のうちに終了させていただき、皆様にはたいへん感謝いたしております。このスタジオの特性を十二分に理解してくださった榊原さんはじめスタッフの皆さんに心からお礼申し上げます。それからいつも僕のわがままを受け止めてくれるピアニストの井上美豊子さんには頭が下がりっぱなしです(笑)最後の白樺のライトアップに今回のイベントのすべてが集約されていたように思います。

なお今回のイベントは演出の関係上写真撮影が不可でしたので残念ながら画像データはありません。「いったいどんなイベントだったのだろう?」とお思いの方は是非も再演の希望をお寄せください。ご感想やご要望などは、 是非BBSにお寄せください。

スタジオ・シンフォニカ
石の蔵ぎゃらりぃはやし
ハウジングオペレーションモデルルーム

2004年5月23日 スタジオ・シンフォニカ
朗読会が北海道へ・・・名古屋の協力者、伊東恵美子さんが北海道に暫く滞在され「石の蔵ぎゃらりぃ はやし」で、まずは朗読会の種まき。そして同じく名古屋の“強力サポーター”橋本唯美さんが、今回の主催者となる札幌の畠中秀幸さん、花田 裕子さんと朗読会を企画、一気に“北の大地での開催”が成立したのです。  
さて、どんなリアクションが待っているのか、それこそドキドキだらけの朗読会。  北海道一回目(通算118回目)の幕開けは、札幌市西区のユニークな創造空間。ガラス面を多く取った二階建ての細長い建物「スタジオ・シンフォニカ」 建築家で音楽家、はたまたガンダム製作者?(プラモデルのガンダムが何体も陳列)の畠中秀幸さんの事務所兼住居。今回は畠中さんのご友人で「ギャラリー蓮」のオーナーであり、プロデューサーの花田 裕子さんとの共同主催。  
いよいよ北へ。ところが出足でつまずいた。名古屋空港で、飛行機に点検箇所が見つかり、足止め。おかげでいつ出発するか分からない・・・これでは公演に間に合わない!この事態に“何とかして、お願い”と密かに北の大地に向かって手を合わせました。 結果、15分遅れで離陸、祈りは聞き届けられたのです。(何とも素敵なお話でしょう)  
ドキドキしたものの、予定通り5時前には会場へ。すでに到着していた杪谷と橋本唯美さん(北海道シリーズのコーディネーターとしてしっかり協力)らが下準備。
建物は一階、中二階、二階という間取り。今回共演のピアニスト、井上美豊子さんは中二階で演奏、私は二階で朗読と決め、演奏曲などを打ち合わせ。
そんな感じで早々に準備OK。それと前後してスタッフやらお客さんが入り交じり、会場は渾然一体。そこに熱気らしきものが・・・漂ってきた。
さあ、7時15分の開演時間。井上さんが中二階からラヴェル作「マ・メール・ロワより」を皮切りに4曲をピアノ独奏。4曲目のシベリウス作「もみの木」の時、私は中二階への階段を上がり、途中でストップ。観客に後ろ姿を見せておき、演奏が終わったところで、37名(男性15名、女性22名)が待ちかまえる二階へ朗読をしながら向かったのです。ところがここでびっくりマーク!。桃色の明かりが、怪しげな雰囲気でお客さんを、そして部屋を包みこんでいるのです。“なんじゃ、こりゃ!”いつの間に杪谷は・・・と思いつつ見ると、窓を覆っていたカーテンが開け放たれ、街灯が“こんばんは”なのです。
北海道最初の朗読会が桃色かぁ?・・・と落胆。あのまま飛行機が飛ばずにいてくれたら良かった!と、 お祈りを後悔したものです。力なく杪谷を睨みつけ、打ちひしがれて朗読の椅子へ。ところで、お客さんは?・・・というと、私が“なんじゃ、こりゃ!”と思ったほどには意に介さず泰然自若。それを見て気を取り直し、テンションもアップしてきてゆったりと、北海道にいる気分を大切に朗読を進めました。
途中、こちらに転勤していた私の甥ッ子夫婦(子供持参?のため、予め一階で聞いていたのです)の退場はありましたが、皆さんはラストへ向かって想像力を開花。ピアニスト、井上さんが朗読のあとを受け、ヘンデル作「この私と過酷な運命に泣くがままにさせて」を弾き語り。このソプラノがまた“効果抜群!”。聞き手の皆さんが惚れ惚れ、心の中へズドン!ズドン!“コレハスゴイゾ”とベランダへ向かいながら思ったものです。そして最後のズドンは、ライトアップ。夜の帳が降りる庭にそびえた6〜7mの白樺が、すっくと現れました。
北の大地はすんなり?受け入れてくれました。聞いたこともない朗読を主催された、ガンダム男の畠中さんと花田さんの勇気ある冒険は、まずは、こうして始まったのです。

2004年5月24日 石の蔵ぎゃらりぃはやしでの朗読 レビューへ