Studio Sinfonica
 
  ARCHITECTURE

TRANS BLD.
顛末記 [格闘編 vol.3]

そこから私はオーナーとイメージを共有し、また板垣建設に現地調査を踏まえた工事費を算出してもらうための一般図の作成に入りました。この時点で最初から設置しようと直観していた螺旋階段、トイレや応接室など閉じた要素とオープンな執務空間を仕切る円弧の壁、さらには円形ステージなど、新しい人の流れを誘発する要素が出揃いました。

ある程度概算を組んでいたのでそんなに大きく予算をオーバーすることはないことは判っていましたが、もしものことを考えて図面をオーナーに見せることを控えて工事費積算を待っていたところ5%オーバーというまずまずの数字が上がってきました。とはいえこの5%を減額するのは結構大変な作業なのです。例えて言うならば100kgと人が95kgにダイエットをするより、60kgの人が57kgにダイエットする方が難しいのと同じです。(僕自身はすでにダイエットはあきらめましたが…)
伊藤所長と顔を付き合わせて知恵を絞ること2日間、細かな減額要素の積み上げを行いなんとか無事予定額内に工事費を収めることに成功しました。あとはオーナーの承認を得るのみ!

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