Studio Sinfonica
 
  ARCHITECTURE

TRANS BLD
顛末記 [収斂編 vol.2]

計画段階から2階について間仕切り壁を設けないということに関してはコンセンサスを得ていたのですが、実はこの時点(お盆過ぎ)でまだ執務空間の配置は決定していませんでした。いままでにない配置ばかりを主張する私とオーナーサイドの議論は難航の様相を呈していましたが、この光と開放感を見ていただくことで、その効果を真正面から享受するブーメラン型のテーブルを用いたS字型の配置の意図を理解していただけたのだと思います。その後も何度か修正はありましたが、大筋ぶれることなく空間の整理とそれに相応しい家具の選定を進めていくことになりました。

それにしてもよく決断してくださったと思っています。オーナーのお客様第一の姿勢を明確にし、また2階を一つのホールとして機能させるために提案したステージについて、「設置させて頂けたらオープニングセミナーで僕がフルートを演奏しますから」という今考えると無謀にして恥知らずな口説き文句を口にしてしまったのもこの時期だったと記憶しています。
8月末からは特に奈穂子さんと原マネージャーには、多忙にも関わらずスタジオ・シンフォニカの柿落し公演についてかなり時間を割いていただきました。(詳しくはPRODUCER'S NOTEの柿落し顛末記をご覧ください)この時期はこの柿落しの準備と、仕上材(特に内装)を決めていかなければならないという失敗すれば空間性を損なってしまう大仕事が残っていましたので、何だか猛烈に忙しかったことだけは覚えています。

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